普段は女の子にモテモテでデートに忙しく、映画なんて観ないリッチな俺なのだが、ちょうどデートの合間に時間が空いたので、レビューなるものを書いてみることにする。
この作品、簡単に言えば、4月1日の一日の群像劇。登場するのは主に7つのエピソード。
それぞれのエピソードはこんな感じカナ。
1.嘘つきの天才外科医と掃除のお姉さん
天才外科医を装った詐欺師(松坂桃李)と、その詐欺師に妊娠させられた対人恐怖症でスナックばかり食べている病院の清掃員(戸田恵梨香)。今回の主役二人。
俺がキモい映画オタなら
「こんなキレイな清掃員がいるかボケ!」
「仕事中にお菓子食ってんじゃねーよ!」
「こんなに巨乳患者ばかり来るかよっ!」
と、都合の良すぎる展開にツッコミを入れてしまうところだが、なんせ俺は余裕のある金持ち。
武蔵小杉のタワーアパートの最上階で、ちゃんとしたボトルのワイン(貧乏人は紙パックのワインを買うのだ)をくゆらせながら100インチのブラウン管プロジェクターで優雅に鑑賞しているので、そんなケツの穴……いやアナルの穴が小さいことは指摘しない。
また、
「松坂桃李の尻は出てくるのに、お姉さんたちの生オッパイは出てこねーのかよ!」
と、俺がニートの素人童貞なら、オッパイ飢餓で気が狂いそうになるところだが、なんせ俺はモテモテ紳士。オッパイが出てこないことにブチ切れもしないし、巨乳に囲まれる松坂桃李が羨ましくもなんともない。
おっと、思わず長く書きすぎてしまった。次に行こう。
2.占い師と刑事
若い男にご信託を並べて私服を肥やす占い師が、刑事に取り調べを受ける話。
占い師、なぜか両手の手のひらに眼を描いている。
「『パンズ・ラビリンス』の『ペイルマン』のパクリじゃねーか!」
とキモい映画オタならブツブツと指摘して、映画マニアの集うサイトにレビューを書き込むところだろうが、俺はそんなことは書かない。
そもそも、こんな見た目からして怪しい詐欺師に騙されるという設定が、現実感がなさすぎる。
偏差値200で頭の良い俺は、
「詐欺にひっかからない方法」
という10万円のYouTubeセミナーを何度も受けているので、詐欺に引っかかることはないのであーる。
ほほう。もしこれを読んでいる読者女性の中で、詐欺に遭うのが不安だという方がいたら、我が武蔵小山のタワーアパート最上階で相談に乗ってあげてもよいぞよ。
もし来てくれるのてあれば、大理石の壺とラッセンの絵のコレクションも、貴女だけには特別にお見せしよう。
男子はタワーアパートの家康も真っ青の100畳の便所の掃除婦として雇っても良いぞよ。
3.UFOを呼ぶ少年
学校では虐められている少年がUFOを召喚しようと頑張るパート。
「どうせUFOに連れ去られるんだから」と、自暴自棄になって、好きな女子中学生にキスしたりする少年。
「チクショーーーーーーー!!! 中学生の癖に!! キスだとぉぉぉ!?」
と、右手が恋人のまま10代を過ごした非モテなら激怒しそうなところだが、俺は「筑豊のティモシー・シャラメ」と呼ばれるモテ男。女性の唇がリップクリーム代わりの生活を送っているくらい唇が潤っているので、悔しくもなんともない。
中学生の頃の同級生は、空き家からエロ本を漁って廻し読みをするしか発散の仕様のない童貞どもばかりだったので、モテモテで金持ちな俺様が、「べっぴん」だけでなく「デラべっぴん」も躊躇なく買い与えて聖人呼ばわりされたのを懐かしく思い出す。
おっと、またもや話がズレてしまったようだ。続きを急ごう。
4.鉄砲玉ヤクザ
女子小学生をライトバンで拉致する、なにか事情がありそうなヤクザ二人組の話。
女子小学生を演じるのは、子役時代の浜辺美波。
拉致されるときにパンツが見えるのだが、それが明らかにブルマみたいな見せパンなことに失望もしないし「衣装係は無能かよ!!」と東宝に苦情の電話を入れたりもしない。俺はタワーアパートの押入れに「プチトマト」の古本を大事に保管しているロリコンとは違うのだ。
5.やんごとない夫婦
品の良い初老の夫婦。どうやらやんごとない身分の二人のようで、二人を乗せた運転手も大ハリキリ、という内容。
二人はセレブな洋服屋で買い物をして、たまには庶民の食べ物を食べたいとハンバーガー屋に出かける。
セレブの旦那を里見浩太朗がシブく演じていたので、このパートが俺的には一番見ごたえがあった。
ちなみに俺は、マクドナルドに行っても躊躇なく「ビッグマックセット」を頼む金持ちであり、間違っても
「ハンバーガー単品で。あと水ください。あ、ソース増量して。ピクルスも追加できますよね?」
なんて、日本語が不自由な癖に極めて厚かましいオーダーの仕方をしたりもしないんだぜ。
6.イケメン仲良し男二人組
ハンバーガー屋にいた同居中のイケメン二人組の話。
他の話と繋がりが薄いし、「遠賀川の育てたオーランド・ブルーム」とまで言われたイケメンの俺からすると、全然イケメンでも何でも無い若手男性俳優二人なので興味なし。
7.レストランの客たち
冒頭の松坂桃李が美女とランチを食べる高級レストラン。そこに、臨月の戸田恵梨香が現れて、レストランの客を交えて大混乱に陥る。
しじみ汁のシジミを容赦なく捨てる金持ちの俺にとって、こんなお店、高級でも何でもないが、それより
「見せ場になったら長台詞を喋り出す、小劇場みたいな演出がわざとらしい」
というところが気になった。
観ているとどこかで観たような顔がいっぱい出ていたので、手元のiPodでWIKIPEDIAを開く。ふむふむ、このシーン、ユースケ・サンタマリアや小澤征悦など、邦画でも有名な俳優が結構出ていて豪華な登場人物なのは間違いないようだ。
あ、そうそう。そのWIKIPEDIAに
「主演の戸田と相手役の松坂は後に実生活で夫婦となる」
と書いてあったが、これはエイプリルフールの映画なので、明らかにこれは嘘に違いない。イケメンと巨乳美女が映画で共演して、その後、結婚する、なんていう映画みたいな都合の良い人生、あるわけがないのだ。諸君は、こういう嘘に騙されてはいけないのである。
そろそろデートの時間が来たようだ。
自慢じゃないが、本日のデートの相手は、初めて会う中国美女。
つたない日本語で小生を誘ってきた、アフリカの国番号から連絡してきた中国美女である。普段はモテモテなので女性の誘いには乗らない俺であるが、今日は「イケメンと巨乳美女が映画で結婚した」なんて嘘を見せられてムカついたので、ちょっとつきあってあげることにした。
デートの場所としては、この作品で、浜辺美波がヤクザと一緒に乗った、お台場の観覧車をまるごと貸し切りで予約しておいた。中国美人とシャレオツな観覧車デートを楽しんでくるとしよう。
美女とのデートの自慢をしてしまったようで申し訳ないが、せいぜい、スーパーで弁当が半額になるのを待って購入するような庶民のキミたちも、人生を楽しんでくれたまえ。
おっと、そろそろ4ナンバーの高級リムジンが到着したようだ。
では、これにて失礼する。また来年!
(おしまい)