キャロルの愛に終始打たれっぱなしだった。彼女の高潔さに、美しさに、誠実さに。余韻がとても長く続き、観終わってから時間が経った今もじわじわ胸に迫るものがある。ここ最近、恋愛ものは不得意だったのに、これはやられた。原作も制作陣も役者もなんという力量。語彙力がなくて読んでくださる方にこの感情を伝えられず、悔しい。
冒頭のテレーズの肩に手を置いたあの瞬間からふたりは離れがたい絆で固く結ばれたんだと確信した。あんな風に手を置くなんて、なんというエロス。立っていたら腰から砕け落ちると思う。あの瞬間ワンシーンで深く息が漏れ出た。短いあのシーンで監督からの想いが観客に伝わった、大切な大切なシーン。
