春とヒコーキ土岡哲朗

X-MEN:アポカリプスの春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

X-MEN:アポカリプス(2016年製作の映画)
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どうせX-MENと思って観ると満足。

全体的にキャラクター描写が薄かった。アポカリプスがどんなヤツなのか全然掘り下げられないし、ドラマの肝であるマグニートーも途中ほったらかしな印象。ミスティークの話は過去2作で終わっているので、やることとしてはマグニートーを改心させる、救うことしかないんだけど、彼が主体的に動く話じゃないから変なのかも。アポカリプスの手下になったのも成り行きというだけだし、そのあとも特に悪さしてる印象もないし、改心するのもチャールズとミスティークが説得を頑張ったからでマグニートーの主体性はない。シリーズの一応の結末、というだけ。

とはいえ、クライマックスの戦闘は、能力設定・キャラのビジュアル、アクションの描き方がすごいので、面白かった。それで十分満足。それと、クイックシルバーの人命救助シーンが素晴らしい。これは、MCU版のクイックシルバーよりもやはり圧倒的。

行き当たりばったりシリーズの面白さ。
矛盾も多く、毎回方向性が変わり、時系列をリセットしてなんでもやり直しありにしたX-MEN。その結果、同じキャラクターを設定を変えて出したりして自由なのは面白い。旧シリーズではいい者の主軸だったストームが、こちらの世界ではアポカリプスの手下として出てくるなんて大胆。
そして、こっちのクイックシルバーが「ワンダヴィジョン」に登場したことで、FOX版X-MENも完全に息絶えたわけではなく、リブートされるにしても何かは継承される希望ができた。ぐちゃぐちゃのシリーズだったけど、MCUの中で良いゴールをできるかも。