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殺人カメラのmasayaanのレビュー・感想・評価

殺人カメラ(1952年製作の映画)
3.0
バザンの映画本を読んだらフェリーニ、フェリーニ言う前にロッセリーニくらいちゃんと観た方が良い気がしてきたので『無防備都市』以外を観てみるプロジェクト、その1。

第1弾がまさかの『殺人カメラ』という選択。完全に順番間違えた感が・・・笑。「写真の写真を撮る」、というメタ行為をさらに映画に撮る、というメタ感にもびっくりだけど、「写真の写真を撮られた人は死んじゃう」という設定にもびっくり。しがないカメラマンが町の正義のために大奮闘。走る走る。もう走りっぱなし。これはまんま『デスノート』だよなあ、というのが素朴な感想です。(ゼロ年代のコンテンツ批評で『デスノート』を扱いつつ『殺人カメラ』に触れたようなものって、果たしてどれだけあったのだろう、などと余計なことを考えつつ。)

そして悪を倒すために町中を疾走しつつ、「先生は冗談ばかりで幸せな人ですねえ、こちとら悪人と戦っているんですよ」というカメラマンの男に先生が一言、「お前は幸せだなあ、善と悪の区別がついて」に誠に素朴ながらビシッと痺れました。そして唐突に、町のメインストリートを水着で横断するアメリカ人のブロンド美女のショットが異様で美しかったです。教科書的な「確認」を別とすればまあ、そのくらい。必見ではない。
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