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もうひとりの息子のhuaのネタバレレビュー・内容・結末

もうひとりの息子(2012年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

根深い対立が続くイスラエルとパレスチナの問題を背景に、混乱の中の出生時の取り違えによって、自分たちのアイデンティティの見直しを迫られた2つの家族の苦悩と葛藤を描いた作品。

血の繋がりなのか、育ててきた、ずっと一緒に暮らしてきた情なのか、最終的にどこに着地するのか、親と子それぞれの心理が気になった。
結論から言えば、どちらも自分の息子であり、どちらも心から愛せる存在である。

母親たちがそれぞれ本当の息子と見つめ合う姿に胸が締め付けられ、涙が溢れた。
もちろん母の心情に感情移入してしまったのだ。
どちらも紛れもなく自分の息子なのだから。

それにしても育てている時に血の繋がりがないのではと、親は違和感はなかったのだろうかと疑問にも思う。
しかし自分なら気付いただろうか。

2人の息子たちはお互いを受け入れ、家族が増えたのだと兄弟のように絆を深めていく、ポジティブな描き方が良い意味で拍子抜けなようでいてホッとした部分でもあった。
お互い行き来するのも容易ではないが、あの2つの家族ならばそこも上手く乗り越えて、良い関係を築いていきそうな気さえした。

国が対立していても、個人が理解し合えば、諍いが解消する糸口があるのではとそこに救いを感じた。
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