ディートリッヒ主演の『嘆きの天使』をファスビンダー監督がリメイク。けっこうアレンジしていて、戦後の復興が進む西ドイツを舞台に、賄賂や利権といった社会的情勢などを絡めながら、人間の脆さや醜さを炙りだしていくシニカルな作品でした。
建設局長として赴任した生真面目なおじさんが愛したローラの正体は娼婦だった。しかもローラは街を牛耳る建設会社の社長の愛人でもあった…。
ローラが狂ったように歌うシーン、心の葛藤が見えて最高！
途中まではおじさんが気の毒なのだけど、最後におじさんの取る行動があっけらかんとしていて、西ドイツの情勢を皮肉ってるように思えました。
ピンクや赤、ブルーなど人工的なライティングがファスビンダーらしくて、悪趣味や下品スレスレのところで、スタイリッシュに昇華していてめちゃくちゃカッコいい。アクが少なく、観やすいファスビンダー作品でした。
＊みんとさん、ありがとうございます＊
