RIO

裂けた鉤十字/ローマの最も長い一日のRIOのレビュー・感想・評価

3.3
ラッセラ通りをSS11中隊が
行進する冒頭シーンが迫力ある
異常な緊張感が胃を押し上げる

ドイツの占領イタリア
太陽が復活と希望の象徴 見る者は少ない

マストロヤンニがいつになくシリアスです
二人の会話が凄い
神父とカプラー大佐がホメロスの話とか
人と人 世代と世代を繋ぐのは芸術しかないとか
ピカソの言葉で応酬する神父

軍隊なき国家が理想
主祭なき宗教が理想だ

20年の独裁を耐えてきたローマ市民
パルチザンがSS隊を襲撃した
ヒトラーから報復としてイタリア人の虐殺を命じられる
SS将校カプラー大佐が虐殺の実行者に
神父はバチカンにも働きかけるも
法王は静観の姿勢のままナチに迎合

リチャード・バートンの眼差しが苦悩している
神父の失意のうえの決断にハッとした
ワイダの「カティンの森」も強烈でしたが
流血はないけど心理描写が深くて
終始 息を呑むような緊張感があった
報復ではなくまさに虐殺

自分は時勢に巻き込まれた人間
神は2000年前に死んでいると言った
カプラー大佐の気持ちが痛い

完成度の高い作品でした
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