話運びが格段に滑らかになっており無駄のないよくできた娯楽映画としてまとまっている。
工場建設のために土地の買収を進めるホーンブロワー家と古くからの土地と景観を守ろうとするヒルクリスト家の間の諍いを描いた作品。
物語の序盤から弱者の側に立ち土地を守ろうとするヒルクリスト家に感情移入させその後の展開でそれをひっくり返しつつビターな後味のエンディングに着地するうまい構成。
こういった土地をめぐる争いで金持ちと庶民の対立でなく新興成金と由緒ある名家の対立という構図になってるのは現代の目線から見ると珍しい。
残念だったのはラストに作品の要点や道徳的教訓めいたものをすべて主人公に説明させてしまっている点で台無しとまではいわないがやや興がそがれるもったいなさがある。
