べるーし

タイタニックの最期のべるーしのレビュー・感想・評価

タイタニックの最期(1953年製作の映画)
4.1
1912年4月15日。何の日かを知っている方は多い筈。タイタニック沈没の日です。
100年後の2012年、まだ筆者は小学生であった割にはキャメロンの「タイタニック」が大好きで3D再上映版を観に行き号泣する程でございました。

美しいが実は格差社会の縮図である豪華客船タイタニックにて繰り広げられる家族の喪失と愛のドラマ。

今作もその数あるタイタニック事件映画化作品の一つ。まだ残骸も発見されていないどころか当時の証言もイマイチ辻褄が合わなかったりとで後の映像化作品に比べて「おや?」となるのも無理はない。

特に船体が折れずそのまま沈むのには違和感を感じる人も少なくはないでしょうが、完全に沈没した後に船体が真っ二つに折れたという仮説もあるそうなんで目を瞑りましょう。

それはさて置きキャメロン版がラブロマンスであったのに対して今作は家族の重厚なメロドラマ。離れ離れが如何につらいものであるかがひしひしと伝わるのでまた違う悲しくも美しい物語であるのです。脚本も90分強と若干短いながらも良い出来でありました。

タイタニックの沈没シーンはなんと実写特撮。キャメロン版はCGと実写どちらも使っているのだがこっちは時代が時代なので実写特撮一本筋。なのにしっかりと実物らしく見えるのは流石ですね。

讃美歌の合唱と共に沈没する終盤にはこの海難事故が20世紀で最も悲惨であった事を改めて痛感させられる。今年で沈没から108年。犠牲者のご冥福をお祈り致します。
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