菩薩

のらくら兵の菩薩のレビュー・感想・評価

のらくら兵(1928年製作の映画)
3.9
キッスで始まりキッスで終わる助平丸出しのルノワールだが、トリュフォーをして「最高の喜劇」と言わしめた一作は伊達で無い。ルノワール版のフルメタル・ジャケット(笑)はとにかくしっちゃかめっちゃかしていて、画面の中でひたすら役者が過激なアクションをかましている。つけると前後不覚になるガスマスクや、歴史上最も熾烈を極める枕投げもさること事ながら、やはりクライマックスの花火スパークが物凄い事になっている、カメラがいきなりドキュメンタリーのそれになるもんで「事故…?」とすら思うし、その舞台でめちゃくちゃキモい衣装を着させられ吊るされるミシェル・シモンが滝沢歌舞伎を超越している(見たことない)。兵舎を舞台にしながら結局は男女の恋愛模様に着地していくのもルノワールらしい朗らかさ。DVDは80分くらいだけど、これ本当は130分あるの…?
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