KnightsofOdessa

女王陛下の戦士のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

女王陛下の戦士(1977年製作の映画)
3.6
No.630[控えめヴァーホーヴェンここにあり] 73点

実は、ヴァーホーヴェンはあんまり得意ではないのだが、”1001の映画2011”の630番目なので鑑賞。

第2次大戦下、イギリスとドイツの間に挟まれたオランダの命運を、同じ写真に写った大学生6人の目線を通して描く戦争映画。プロットは大好きだが、主人公エリックにスポットが当たりすぎている気がする。その分、映画の最後、本筋にほぼ登場しなかった6人目の男と解放の騒ぎに浮かれる人々を背に酒を酌み交わす場面で終わるのは複雑な感情が巻き起こる。こういうラストも大好きなんだけどなぁ、最後の人最後に登場したの最初じゃなかったっけ?

やはり思い出すのはノルウェーで同じようなことをしていた(イギリスに一時亡命する部分まで似ている)「ナチスが最も恐れた男」であろう。あっちはマックス・マナスという人間を通してノルウェーレジスタンスを描いたもので、戦後に燃え尽きたマナスまで一括りにした伝記映画だったが、こっちは若干荒唐無稽な寓話的戦争映画となっている。ブラックユーモア満載の痛快娯楽映画としても楽しめてしまう面、ヴァーホーヴェン監督は流石と言うべきか。

どうやら普通のヴァーホーヴェン映画ではないらしいので、今後の作品は注意して見ていきたい。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa