ハンスウ

明日に処刑を…のハンスウのレビュー・感想・評価

明日に処刑を…(1972年製作の映画)
3.5
スコアセッシ監督作品で私が観たことある古い映画は「アリスの恋(74年)」が1番古かったんですけど、これは72年でもうちょっと古い映画でした。

「ボックスカー バーサ」っていうカッコいい雰囲気のタイトルですけどボックスカーはこのジャケット画像に写ってる通り貨車のことなんですよね。悪さをして貨車に乗って町から町へ移動する女の子がいて暴走するんです。それを、何を間違ったのか「明日に処刑を…」などと邦題がつけられちゃってます。低予算映画だけどアメリカンニューシネマにあやかろうとしたのか?? 確かに内容も「明日に向かって撃て」と「俺たちに明日はない」を意識しているのがバレバレ。いや、それどころかあきらかな模倣かな。それで日本はタイトルまでそれっぽくしてしまった、のかもしれない……

低予算といってもたぶん日本の低予算とは違うんでしょうね。車はガンガン壊すし蒸気機関車と車を衝突させるし音楽もカッコいい。でもやはりB級感は隠しきれず、有名なアメリカンニューシネマほどのサスペンスや迫力はなく、中盤のもたつき具合も気になったりしました。B級アメリカンニューシネマといったところかなあ??

しかし、やはりスコアセイジ(正しい発音)。一目で彼のそれとわかるシーンが後半に観れます。泉のように溢れ出るバイオレンス描写のセンス。後の「タクシードライバー」につながるシーンがあったのは、ああ、なるほどと思わされましたが、まさか、後の「最後の誘惑」につながるシーンまでありました。(はりつけにされるキリスト関連ね)これにはビックリでした。

高評価をつけられなかったのは荒削りすぎるからというのと、時代のせいもあるが女優の扱いがひどすぎるからということもあります。まあ、こういう時代だったんでしょうねぇ……
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