オーウェン

アメリカを売った男のオーウェンのレビュー・感想・評価

アメリカを売った男(2007年製作の映画)
4.0
FBI訓練捜査官のオニールは、ある日、上司のバロウズに呼び出され、定年間近のハンセン特別捜査官の下について、彼を密かに監視するよう命じられる。

しかし、ハンセンには怪しいところはなく、逆にハンセンとオニールの間には信頼関係が生まれ、家族ぐるみで付き合うようになる。

ハンセンの監視に疑問を持ち始めたオニールは、上司を問い詰めると、ハンセンには長年にわたるスパイ容疑があるとのことだった--------。

この映画「アメリカを売った男」は、アメリカで実際に起こったロバート・ハンセンによるスパイ事件を基にしている。

謎の多いこの作品だが、そんな謎解きが目的ではない、ハンセンとオニールとのわずか2ヶ月のやり取りが非常に重要で、この映画の出来を良くしていると思う。

ともかく、ハンセンを地味ながら(地味だからこそ20年以上もスパイ活動ができたのかもしれないが-----)、クリス・クーパーが見事なまでに好演していると思う。

そして、そんなすごいスパイが、あんな若造訓練捜査官だけは、なぜか最後まで信用し、結局それが逮捕に繋がってしまうという悲しさ。

オニールも言いようのない複雑な気持ちだったことを、良く演じていたと思う。
派手さはないものの、結構見ごたえのある佳作だ。
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