椿本力三郎

蒲田行進曲の椿本力三郎のレビュー・感想・評価

蒲田行進曲(1982年製作の映画)
4.7
いつぶりだろうかというくらい久しぶりに「蒲田行進曲」を見た。
新宿ゴールデン街で、最近上映された映画についてあれこれ常連さん達と議論しているときに年上の、結構出来上がった先輩が、「お前、調子に乗るなよ」的な角度で
「今の映画なんかより昔の映画の方が魅力的だ。蒲田行進曲とか見返してみろ」と言われたのがきっかけ。
今のインド映画くらいの熱量と勢いで喜怒哀楽がギュっと詰まっている。
さすが角川春樹とキンジフカサク。
「仁義なき戦い」シリーズをコンプリートしたら蒲田行進曲まで見ないとキンジフカサクの世界観は本当に理解できないと思う。
本作は、映画愛に支えられた「恋」のお話だと思うのよね。
そして、みんな一方通行の「恋」。
「仁義なき戦い」シリーズも情念に過剰に溢れているから、
それがキンジフカサクが描きたかった世界観なんだと思う。
いずれにせよ、松坂慶子の雪の中での「あんた〜〜っ」は名シーン過ぎる。