『彼奴は顔役だ!』のラオール・ウォルシュ監督とジェームズ・キャグニーが再タッグを組んだ名作ギャング映画。
"Made it, Ma! Top of the world!"
大傑作。70年以上前の作品ということに驚きが隠せない。マザコン・ギャングの半生を描いた伝記的ギャング映画かと想像していたら、ダイナミックでテンポの良い犯罪アクション映画だった。
ギャング内の覇権争い&潜入捜査による刑務所内での疑心暗鬼サスペンス、大列車強盗・カーチェイス・化学プラントでの銃撃戦など、2時間弱の尺に見所が凝縮している。トンネル上から列車の屋根に飛び乗るという冒頭のスタントから心を掴まれた。
ラストシーンが凄まじかった。驚愕の余り、大声を上げて飛び上がってしまった。これほどハイテンションなラストを迎えるギャング・マフィア映画も珍しい。
ジェームズ・キャグニーの怪演。ギャングのボスのくせに、重度のマザコンかつ偏頭痛持ちというキャラ設定が新鮮。足手まといになったり、自分を裏切ったりすれば仲間であっても容赦なく殺すワルでありながら、ママに甘えたり、赤ちゃんみたいに大泣きしたり(伝言ゲーム)と、とことん人間臭い。ラストの絶叫は、『タイタニック』のディカプリオに勝っているのではないか?笑
三角測量によるガストラック追跡シーンが興味深かった。3台の警察車両を用いたアナログGPSシステム。ロサンゼルスの地図が正確に再現されているらしい。
警察官が刑務所に潜入捜査する映画はかなり珍しい気がする。大抵は、受刑者に司法取引を持ち掛ける気がする。
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