主人公は14歳の少女ムシェット…。
重病に苦しむ母親と酒に溺れ暴力を振るう父親…。
赤ん坊の面倒と母親の看病…ムシェットは貧しい生活の中、孤独な日々を過ごしていました。
作中では、罠にかかる鳥や銃で狩られるウサギが出てきますが、それらがムシェットと重なります。
…密猟…密かに殺される小さな弱き者…
そんな境遇でも同情などまっぴら…学校帰り草むらから裕福そうな生徒目掛けて泥を投げつけます‥可哀想ないい子でいるよりも…いっそ憎まれる方が…。
ある日彼女は森へ迷い込み、突然の嵐の中、密猟者アルセーヌと出会います。そこで彼が森番マチューを殺したと思い込むのでした。そして小屋で無理矢理犯されてしまいます。
その後に流した涙は、彼女がレイプを受けた屈辱ではなく、アルセーヌと秘密を共有できたという悦び…孤独な彼女にとっては…唯一の"絆"…。
そして彼女は言い放ちます…
« Monsieur Arsène est mon amour. »
(私はアルセーヌの愛人よ)
ラストも衝撃的ですが…何故かとても神々しかったです…。