七沖

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦の七沖のレビュー・感想・評価

4.2
〝いま、父と息子のアドベンチャーがスピルバーグの世界に燃える!全世界待望のシリーズ最新作‼︎〟
運命のダイヤルをきっかけに1作からインディシリーズを追いかけ、ついにここまで来た。当時はこれが完結編だと思われていたかと思うと感慨深い。

冒頭のイケメン(インディの若い頃)を演じているのは誰だ⁉︎と思ったら、あのリバー・フェニックスか!
正直リバー・フェニックスよりも弟のホアキン・フェニックスのほうが『ジョーカー』で印象が強いが、こうして生前の姿を観ることができてちょっと感動してしまった。
いかにして現在のインディが形作られていったかを、わずか数分のアクションシーンで魅せるのが小気味いい。

そして、本作一番の見どころはなんといっても父親との関係性だろう。
名優ショーン・コネリーが演じるヘンリー・ジョーンズは、見た目以上に言動が若くて、インディ以上に何をやらかすか目が離せない。特に戦闘機を傘一本で撃墜するシークエンスは、笑えると同時に父親の偉大さを感じられる名シーンだ。
考古学一筋のように見えて息子への愛情も強いのが素敵で、息子が崖から落ちたと思って悲しみに暮れる父親の背後から、事情が分からない息子も一緒に崖の下を見下ろしているシーンは、今でこそベタだが微笑ましい。当時は劇場で笑いが起きていたんだろうな。

遺跡探検も、古代文書の謎を一つひとつ解釈して乗り越えていく展開が楽しく、父の命を救うというタイムリミットもあって、完結編相応の緊張感と盛り上がりがある。

ヒロインの扱いが過去2作とは違っていて、これも良かった。のちに『RRR』で大英帝国の悪役に抜擢されたのも納得できる、存在感のある演技だった。

けっこうコミカルな展開が多くて、父子で拘束されて屋敷の火事から逃げ出す展開や、飛行船でのチケットのやり取りは思わず笑ってしまった。

ラストシーンは……意外なほど完結編ぽさがない。
だが、夕陽に向かって駆けていく彼らを見るだけで、胸が熱くなるし、今後も彼らの冒険は続いていくんだろうなということが感じられる名シーンだった。

約20年後に続編が制作されようとは、これは誰も予想できないな…。
七沖

七沖