のんchan

都市とモードのビデオノートののんchanのレビュー・感想・評価

4.5
ヴィム・ベンダース監督は元画家でもあり、独特の画的センスに優れていると思っているが、意外とドキュメンタリー作品も多い。

ファッション界における神様のように思える山本耀司のパリ・コレクションの準備過程を追った内容であり、人間"Yohji Yamamoto"を堪能出来る内容になっている💫
あ〜これは観て良かった〜💗

33年前なので、それこそファッションという流行の世界だから、今観ると時代を感じてしまう部分もあるけれど、1人の人間を追うという事では、人気沸騰中の旬の神様を見聞き出来るので興奮した🌟

山本耀司の話し言葉を転記する↓
『日本語では"ヤマモト"は山のふもとも示す。完全なシンメトリー(左右対称形)は人間の場合でも美しいとは思いません。なんでも非対称形であるべきです。
人間の持つ素晴らしい感覚である上品さ、親切、優しさ、思いやりなどは非対称的バランスから生じていると思います。だから物事が完全なるシンメトリーであると、むしろ醜いと感じるのです。そう言ったものは、手の働きや、汗や、苦労が感じられない。完全なシンメトリーなど人間には作れない。これでいいんです。その方が感動する。好きになります。対称形の物を作るときっと壊したくなる。破壊したくなります。』

とアシンメトリーの洋服を作り続けている師匠の言葉はスーッと入り込む。
私は天秤座♎️でバランス人間なんだけど、アシンメトリーが好き💕

そしてこの言葉が何より深いし100%納得出来てしまうので嬉しかった✨
『男っていうのは、自分の想像や観念の中で生きている。一方、女性は現実の生活の中に生きている。』
ご尤もでございます。解っていらっしゃる👏

もし別の職業をするとなったら?という質問の答えは意外なようでもあり、無性に納得も出来た。
『"ヒモ"(家にいてTVを見たり読書をして女を待つ、そしてとても優しくする)がイイですね。
母親はご近所相手の仕立て屋だった。母と息子1人だった。母の時代は男社会だったから、自分が母親を守らなくてはならなかった...敬愛の念もあり、自分は女性の服を作る。「お役に立ちましょうか?」という気持ちで。』


ちなみにこの作品とは関係ないけど、北野武監督の映画の衣装を数多く手掛け、タケシはその後も山本の服を愛用している✨
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