てつこてつ

みじかくも美しく燃えのてつこてつのレビュー・感想・評価

みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)
3.2
子供の頃からずつと見たかった作品・・。

まずは、ジャケ写と岩谷時子氏の詩的な邦題の勝利。

19世紀に実際に起きたスウェーデン軍の中尉とうら若きサーカスの綱渡りのスターの心中事件の映画化らしいが、作品内では妻子持ちであった中尉がどのような過程で不倫に走り二人でデンマークに逃亡したのかの過程は一切描かれない。

モーツァルトやヴィヴァルディのクラシックの名曲に乗せて、北欧の短い夏の時間を謳歌する二人の最後の日々を朴訥と追うスタイルってのも何ともスウェーデン映画らしいかな。

これと言った起承転結が無いストーリーながらも美しい森の描写や、鳥や虫の声にどこか癒やされる。

何と言っても、自分がずっと見たいと思っていた生まれる前に製作された作品が美しいカラー映像で描かれているのに素直に感動。

ラストの心中シーンの描写は作品のテーマを崩さず美しいままで素晴らしい。
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