ハレルヤ

1900年のハレルヤのレビュー・感想・評価

1900年(1976年製作の映画)
4.0
1901年の同じ日に生まれたアルフレードとオルモ。地主と小作人という身分違いの2人だが、幼い頃から深い友情で結ばれる。しかし時代の流れとともに2人の立場の違いが色濃くなり、対峙せざるを得ない状況へと変わっていく大河ドラマ。

前々から見たかった作品。サブスクでも配信されていないので、久々にDVDをレンタルして初鑑賞。イタリアの名匠ベルナルド・ベルトルッチ監督。ロバート・デ・ニーロ主演。上映時間は圧巻の316分。5時間を超える超大作。2日に分けて鑑賞しました。

流石にこの時間は長すぎるだろと思っていましたが、意外としっかり最初から最後まで見入るほどの完成度。もちろん2日に分けて見たのもあると思いますが、物語の構成が見事だったのも大きい。

冒頭の第2次世界大戦終戦後のタイミングで発生する複数の悲劇。その理由はどこにあるのか。そこから時代は1901年へと移動。本作の顔であるアルフレードとオルモの誕生から物語はスタート。

立場なんか関係ない幼い2人の友情。線路で寝そべって度胸試ししたり、喧嘩したりで青春映画のよう。それぞれの家族の大きな出来事を経て青年になる2人。第一次世界大戦を経て再会。ここでも2人の友情の厚さがよく分かる場面。恋愛や結婚、子供の誕生など人生のイベントを経験しながらも時代やイタリアの大きな波に飲まれていく。

小作人として横暴なやり口の管理人と徹底的に抗戦するオルモ。地主だが暴力の猛威を振るう管理人のアッチラのやり方に口が出せないアルフレード。オルモを演じたジェラール・ドパルデュー。アルフレードを演じたデ・ニーロ。2人の演技はまさに本作の根幹。青年期から何十年に渡り、長年の2人を見事に演じきっていました。

個人的には農民たちを追い詰め、抵抗する者は虐殺する残忍な管理人であるアッチラ役のドナルド・サザーランドの狂人演技が一番印象的。彼の存在がかなり大きかったと思います。

かなりの長さを要している作品ですが、やはり1つ1つの時代での出来事を丁寧に描いてるので、満足度は高いです。美しい音楽と映像も本作の魅力を更に高めていました。見るには多少根気はいりますが、この手の大作映画が好きな方なら満足できるはず。お勧めの一作です。
ハレルヤ

ハレルヤ