ハレルヤ

哭悲/The Sadnessのハレルヤのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
3.7
台湾でインフルエンザに似たアルヴィンウイルスが蔓延。それが感染した人を凶暴化させるものへと変異を起こす。瞬く間に全土へと感染者が激増し、残虐な殺し合いが各地で発生。そんな絶望の世界で生き残ろうとする若いカップルの姿を描いたパニックスリラー。

新型コロナウイルスの蔓延に影響されて製作された本作。感染爆発の恐ろしさを圧倒的なゴア描写を用いて描いています。噂通りの徹底的にモラル皆無の暴力描写をやり尽くしていて、痛々しいを通り越した強烈な人体損壊シーンのオンパレード。

特に地下鉄での無差別殺戮、感染拡大は日本じゃ間違いなく問題になるレベル。実際この場面と病院での無法地帯の場面が引っかかり、日本ではR-18指定を食らったとか。

そんなヤバい描写を盛り盛りにしながら、どこも逃げ場のない絶望感。唾液や血液だけでなく空気感染もあるから、すぐそばにいる人がいきなり凶暴化する恐怖。コロナがこんなレベルだったら…とふと考えてしまうウイルスの脅威。色々と感じるところもありました。

そして感染者側もあのサラリーマンのキャラが立っていたのも魅力。あの憎たらしい悪っぷりが妙に癖になります。ヒロインを執拗に追い回し、色んな意味でのヤバさが全開。ただ不特定多数から追い回されるだけより面白みがありましたね。

グロ耐性がある人でもダメージを受けるとも言われた本作。確かに暴力系無理な人は絶対無理だし、後味も良くないので見る人を確実に選ぶもの。逆にそういうのを求めるなら突撃してみるのはアリでしょう。台湾からこんな映画が飛び出した事に驚きです。
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