KnightsofOdessa

ガンガ・ディンのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ガンガ・ディン(1939年製作の映画)
3.0
No.130[帝国主義プロパガンダ的ウエスタン] 60点

"荒れ地あるところに西部劇あり"というさっき作った格言に則ったかのような、インド奥地で繰り広げられる"インディアン・ウエスタン"。快活な三人の軍人が宝探しと賊の討伐を同時にやるという実に詰め込み過ぎな作品だが、その戦闘は基本的にキートンやロイドを模したスラップスティック系の演出が多く、非常に楽しめる。象で牢屋ごと破壊するとか、黄金の寺院が登場するとかインドじゃないと出来ないよな。ただ、戦象って確か大きさに反して臆病なので、戦闘には役に立たなかったという話をどこかで聴いた気がする。

タイトルにもなっているガンガ・ディンはケイリー・グラントの部下になる、おとぼけ系の現地人兵士のことで、この時代にありがちな"バカな現地人だけど最後は支配者=白人を守って死ぬ"という役目を押し付けられている。白人三人のコミカルな掛け合いは面白かったが、この実に帝国主義的な側面は看過できない。ディンはストックホルム症候群であるかのように、支配に反対する人々や古来の宝を英国人に売り飛ばす。時代を感じるなあ。
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