オーウェン

かくも長き不在のオーウェンのレビュー・感想・評価

かくも長き不在(1960年製作の映画)
4.5
この映画「かくも長き不在」は、1961年度カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。

バリの郊外で、カフェを営むテレーズは、ある日、店の前を通った浮浪者を見て驚愕する。
第二次世界大戦中、ドイツ軍に連れ去られたまま、帰って来ない夫にそっくりなのだ。

その日以後テレーズは、何かにつけて、この浮浪者に会うにする。
彼は過去の記憶を喪失しているが、夫に間違いないと確信した彼女は、記憶を取り戻させようと努力する。

そして、彼を食事に招待して、夫の好きだったレコードをかけ踊っている時、彼の後頭部に傷跡を発見する。

その瞬間、彼はテレーズから逃げるように、店を飛び出した。
テレーズの前から逃げ出そうとする浮浪者を、彼女が呼び止めると、彼はおどおどした様子で、両手を挙げる。

彼が思い出した唯一の記憶は、ドイツ軍に銃を向けられたことだけなのか?

浮浪者を演じるジョルジュ・ウィルソンの、いつも不安そうにしている表情が、この作品の怖さを大きくしていると思う。
オーウェン

オーウェン