ハードボイルドな男の世界。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの実質初共演作品。やっぱりこの二人の存在感は圧倒的。
何物を犠牲にしてでも己のやるべきことを成し遂げる。そんなプロフェッショナルな二人の男の生き様がぶつかり合う。HEATを禁じ得ない。
「ヤク中男が赤ん坊を電子レンジで焼き殺した話を本当に分かち合いたいか?苦悩は俺だけのもの。その孤独な想いが仕事への緊張感を保つ。それが必要なんだ。」
ヴィンセントは二度の離婚を経て三度目の結婚も破滅の危機。人並みの生活を犠牲にしてでも己の心を通そうとする。渋。
対するニール。
「30秒フラットで高飛びできるよう、面倒な関わりを持つな。」
仲間たちは家庭を築いている中、彼もまた自分の哲学に従って孤独に生きている。渋。
相対する立場の二人だけど、認め合っていてどこか友情めいたものすら感じる。
互いの孤独を理解できる唯一の存在と感じてたのかな。
ラストの手前、ウェイングローを始末したニールが車に待たせていたイーディの元に戻ってくる。イーディが不安から解放されほっとしたのも束の間、ヴィンセントの姿を見つけたニールは何も言わず走り去ってしまう。。。
ここいい!やっと拠り所を見つけたニールだったけど、あそこで車に乗り込めばイーディとの関係性が明らかになり彼女を巻き込んでしまう。
だから何も言わずに去ったってことだよな。
最後まで渋い。