七色星団

ヒートの七色星団のレビュー・感想・評価

ヒート(1995年製作の映画)
3.5
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの歴史的、夢の共演。

犯罪のプロと、それをとっ捕まえるプロ。
後に続く映画作品にも影響を与えたであろうプロの仕事っぷりのスタイリッシュな描写。
”俺達はお前達を知ってるぞ”
と言わんばかりに互いの正体を暴くくだり。
相手を出し抜いて、やられたらやり返す展開のとこなんて思わず奮えちゃうよね。

そして銀行強盗からの街中での銃撃戦。
まるで市街戦に足を踏み入れたかのような臨場感・緊迫感は映画館で味わいたところ。映画館で観れた僕はラッキーだった。
俳優陣の銃を構える姿や一連の動作がちゃんとプロっぽくリアルなため没入感はあるし、ドキドキが止まらない映画史に残る名シーンだと思う。

ただ…

上映時間が長過ぎる。
アル・パチーノの家庭要素は完全にぶった切って良かったのでは?と感じる程ストーリー上無くても問題ないので、多分デニーロとの出番のバランスを取ったんだろうなぁ。もっとタイトにシンプルにプロ対プロの戦いとして構成しても良かったのに。
あ、でもバル・キルマーとアシュレイ・ジャッドの別れは良いシーンだった。
警察が張ってることをスッと手で合図した後の二人の表情。たまらんっす。

そして、この映画の一番ガッカリな部分。
もう一度書くけど、なんてたってパチーノとデニーロの初の本格的共演作品なんですよ。
なのに劇中で二人が面と向かって言葉を交わす唯一のシーン、しかもプロとしての互いの矜持を示し合う非常に重要なシーンが、まるで別々に撮ったカットを繋ぎ合わせたかのように見えて、これ本当に共演したの?って疑っちゃうレベルの酷いカット割りなんだよ。
よくこれで誰も「ちょっとぉ!」って異論を挟まなかったなぁと。
そりゃあスチル写真なんか見ると一緒に写ってたりするので、共演してるの分かるんだけど、なんであーなっちゃうの?

もうこれだけでスコアはマイナス1.5。で、他にも色々あってこのスコア。

この映画で僕はヒートしなかった。
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