しゅん

やっさもっさのしゅんのレビュー・感想・評価

やっさもっさ(1953年製作の映画)
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米兵と日本人娼婦との間に産まれて捨てられる孤児たちを題材にとった、1953年の映画。淡島千景が聖人的な献身をみせるかと思いきや、「サロンを開くのが夢なの」と思いっきり俗っぽいことを口にし、崩れたパーソナリティを時間に刻み付けていく。サロンは滑稽だけど、ああいう滑稽さから生まれるものもあるよなぁと感慨。全員腹に一物持っているところに、終戦後の複雑なふくらみを感じてたまらなくなる。

パンパン一味孤児院襲撃時のドタバタの撮り方が上手い気がする。最後の方やけに光が飛んでいたけど、同僚に問いただされるシーンで淡島千景を映す際の闇の深さと対比しているのだろうか。ラストカット前に写る、階段手前の鎖も気になる。しゅうまいをプールに投げ捨てるシーンもそうなんだけど、階段の高低差が重要な感じする。

小沢榮太郎の風貌めちゃ好きなんだが、どことなく黒沢清に似てる。
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