荒野の狼

座頭市あばれ凧の荒野の狼のレビュー・感想・評価

座頭市あばれ凧(1964年製作の映画)
4.0
『座頭市あばれ凧』は、座頭市シリーズの第7作で1964年公開。82分の作品で、本作で市は自分の命の恩人のお国(演:久保菜穂子)の家に逗留。お国の父親はやくざ一家の頭だが、近隣のやくざ一家の安五郎(演:遠藤辰雄)と対立しているという設定。本作の殺陣でユニークなのは、冒頭で道場破りの複数の浪人と、座頭市が竹刀で戦うシーン。仕込み杖以外の武器で市が戦うシーンは珍しい。圧巻は、ラストで、恩人一家の復讐に、市がひとりで、安吾郎一家に夜討ちをかけるのだが、暗闇を味方に一家の皆殺しを計る市は、さながら日本の幽霊映画(ホラー映画というより)の雰囲気である。市の感情のこもった怒りの爆発が印象的。
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