もち

ナイト・オン・ザ・プラネットのもちのレビュー・感想・評価

5.0
大好きな映画。
夜のタクシー。夜の街並み。
そこで生まれている小さなドラマ。

ロサンゼルス。
年齢も価値観も住む世界も違う、2人の女性のドライブ。友情とまではいかずとも、何か感じるものがあったのだなと。バランスがとれていて導入に相応しいエピソード。

ニューヨーク。
東ドイツからやってきた新米タクシードライバーと、ブルックリンに住む黒人男性の、賑やかなドライブ。こちらも友情に近いものを感じるが、それよりも"家族"を感じさせる、あたたかなエピソード。

パリ。
冒頭の伏線からオチまでが見事。
風刺が効いている。

ローマ。
喜劇。ブラックユーモア。

ヘルシンキ。
不幸に見舞われた男とその友達が乗ったタクシーのドライバーが、本当の不幸を語る。
不幸とは。幸せとは。
総括にぴったり。


どのエピソードが好きかと言われると困ってしまう。バラエティに富み、それぞれの良さがある。また、順番も素晴らしい。
そして、この映画を観ると、実際に5都市を旅してきたかのような気分になる。
その土地の夜を見ることは、旅の実感を与えてくれる。密かな、旅の醍醐味だと思うから。

今回、映画館で上映されるということで、大喜びで初日に観に行ったが、近場ではどの劇場も夜の回が殆どだった。
夜の映画館で観るナイト・オン・ザ・プラネット…それはもう素晴らしかった。
なんて贅沢で幸せな時間だったことか。
企画してくれたFilmarks様に感謝。

いつ観ても、良いなぁ…と思うのだ。
これからも、何度でも観るんだろうな。
オールタイムベストのうちのひとつ。
まだ観たことのない方は是非、この機会にリバイバル上映に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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