冒頭からトルストイたち文豪にケチをつける酔っぱらいたち。芥川や太宰の悪口を言っているサラリーマンを想像すると、愛すべきダメさがわかります。あぁこの感じがカウリスマキだ。
敗者三部作のラストですが、今回が圧倒的に負けてます。周囲になじめない様は『苦役列車』を、恋路にかまけて仕事をほっぽり出す姿は『愛がなんだ』を思い出しますね。
ユーモアは完全に消している代わりにしんどいレベルが高い。でも自分の善行が返ってくるラストは三部作共通です。
やはり救いがあるのは安心する。そして絶望も希望もドラマティックに描かないやり方に、そこはかとない優しさを感じるのです。
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スーパーの店員さんの名札に「イロナ」の記載が!しっかりファンサービスも忘れないところ、助かります。