BOB

キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒のBOBのレビュー・感想・評価

3.7
バスター・キートンのサイレントロマコメ。

27歳の誕生日を迎えた破産寸前のストックブローカーが、今晩7時までに結婚すれば祖父の莫大な遺産を相続できると知り、結婚相手探しに奔走する。

"By the time Jimmie had reached the church, he had proposed to everything in skirts, including a Scotchman."

"セブンチャンス"改め"キートンの求婚大作戦"。ストーリーやテーマに時代を感じる作品であることは否めないが、それらに目を瞑ればスラップスティックコメディとして十分に楽しめる。

とにかく、クライマックスの大逃走シークエンスが圧巻!700万ドル男の花嫁を巡って、街中から想像の10倍以上の女性たちが津波のように押し寄せる。急斜面を転がる岩を交わしながら走り下るシーンがアイコニック。前宙しながら砂の斜面を転がり落ちるアクロバティックなスタントもヤバい。クレーンぶら下がりスタントもヤバい。

ちなみに、当時の700万ドルは2022年時点で1億1800万ドル相当とのこと。確かに、この金額だと金に目が眩むのも無理ないか。あれはまさしくゴールドラッシュだったんだな。笑

約100年前の作品ということで、黒人の女性(しかもブラックフェイス)には声すら掛けないことを笑いにするなど、時代を感じさせる描写も散見された。

69
BOB

BOB