2008年ペルー
監督/ クラウディア・リョサ
出演/ マガリ・ソリエル(ファウスタ)
この映画『悲しみのミルク』は、ペルー人女性監督クラウディオ・リョサ製作で、彼女の伯父がノーベル賞作家マリオ・…
◎ ひなぎくのかおり
南米ペルーの貧しい村
母を失った娘のファウスタ
母乳から恐怖が伝わった
彼女は悲しみを歌にする
閉ざされた心の闇を
照らし出すために
魂が翔けだしていく
密やかに世界が輝きは…
冒頭。暗い画面の中、
女性が口ずさむ子守歌のような歌が流れてきます。
少し油断しながらも、字幕の歌詞を追っていると、
少しずつ不穏な内容になっていきます。
更に注意を傾けると、
♪目の前で夫を殺され…
性暴力から身を守るため、呪いを身に纏った少女。
刻一刻と呪いに蝕まれていく彼女を救い出したのは、母親と口ずさんだ歌と父親ほど年の離れた庭師が咲かせる花。
ペルーを象徴する「ジャガイモ」に花が咲き…
ペルーにおける過去の暗い時代の残り香を描いた人間ドラマ。暴力とそれによるトラウマが,一応平和になった2000年代でも癒え切れぬ傷跡をアンデスの地に刻み付けている様子が,視覚描写こそほとんどないながら…
>>続きを読むペルーのフェリーニというかエミール・クリトリッツァというか奇抜、奇想天外、ノリノリ、お祭り騒ぎ、と言いつつペルーの風習や習俗を取り込んだなんとも形容のしようのないお話です。ある意味ストーリー展開が全…
>>続きを読む母の悲しみが母乳を介し伝染するという狂乳病。ファウスタは母が辱めを受けた悲しみを受け継ぎ、女性器をジャガイモで塞いだ。唯一の拠り所である歌を奪われ絶望と悲しみに支配されるなか、叔父の「何故生きようと…
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