似太郎

不良少女モニカの似太郎のレビュー・感想・評価

不良少女モニカ(1952年製作の映画)
4.5
【青春がいっぱい💐】

イングマール・ベルイマンの初期。ゴダール、トリュフォーにも影響を与えた若いカップルのひとときのロマンスと逃避行を描いた青春映画で『気狂いピエロ』の元ネタ。

冒頭とラストの鏡を効果的に使用した演出が青春の儚さを一際象徴させており秀逸。前半に於ける都市での労働や貧困生活に焦点を当てたパートは正直、退屈だったが二人がラブラブで⛵️ボートに乗り込み新婚旅行に出掛けてからの展開でようやく盛り上がってくる。

モニカははっきり言ってビッチなんだが、彼氏のハリーはいい男ですな。最後は別れちゃうけど。モニカはモニカ、ハリーはハリーでそれぞれの道を歩んでいくのだが、強い絆で結ばれた二人の愛情の深さ❤️‍🔥がいつまでも名残り惜しい物悲しさが残る。

苦々しいラストシーンが印象的で、青春のやるせなさが終始漂っている辺りが特徴。ワガママな不良少女モニカのどーする事もできない生き様と貧困層のカップルの流転がヌーヴェルヴァーグの手本になった意味で貴重な作品と言える。

🌊北欧の海岸を丸ごと映し取ったカメラも美しい。一見の価値アリ。
似太郎

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