囚人13号

復讐 THE REVENGE 消えない傷痕の囚人13号のレビュー・感想・評価

4.0
好みでいえばこちらかも。青山真治『WILD LIFE』のクライマックスと同じ薄汚れた廃墟から始まるオープニングが暴力性のピークで、あとはもう只管にやるせなさだけが引き伸ばされていく。
前作で実行犯を倒したので今回は黒幕を狙うも復讐の達成感がまったく無いし、それはアクションが一方的に行われるという虚しさに起因する。クライマックスも女が背後から刺しに来てる編集なのに、なぜか正面にフレームインして撃たれるのも素人相手だからとしか思えん。

北野映画みたいなヤクザのアットホーム感も組長の一撃で全てがぶっ壊され、嘘みたいに感情が消え失せていく。義務的な動きに囚われていく哀川翔と、菅田俊が木に向かって投石する終盤のシーンに意味なんて全くなかった。主人公が不死身ということを強調するだけのラストカットはもう清々しくて好き!
囚人13号

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