交通事故を引き起こし、病院に運ばれた5人組の男女グループが、猟奇的な人体実験に巻き込まれてしまう。院内における理不尽な殺戮行為を描いている、スプラッター・ホラー。原題の"Autopsy"は、検死解剖を意味する単語。
冒頭部、患者を雑に扱う救急隊員の登場で、掴みはオッケー。徹頭徹尾、悪趣味ショーのツボを的確に押してくる、安心・安全のスプラッター劇場に収まっており、裏を返せば「優等生過ぎてつまらない」とも捉えられる。
本編ドラマでは、グループのメンバーが別行動で院内を徘徊。主役のヒロインを残して、次々とトラップに嵌められていく様子が描かれる。スプラッター要素では、皮膚の裂傷表現と臓器表現が秀逸であり、女の子の顔面への"臓器ブッカケ"が白眉となっている。
ご多分に漏れず、"ヒロイン強すぎ問題"が働いているが、絶命ギリギリの線でハチャメチャ・バトルを展開してくれるので、この手の作品の様式美だと思えばオッケー。人体実験に従事している病院側の立場から鑑賞するのも、また一興。