ララン

怒りの葡萄のラランのレビュー・感想・評価

怒りの葡萄(1940年製作の映画)
3.6
代々の土地を追われた一家が、カルフォルニアの求人広告に夢を見て移住に向かう作品。

資本主義によって追われた一家が向かうカルフォルニアでも、労働者は搾取され満足できる待遇は望めず希望は見つからない。
賃金の見直しを求めてストライキを起こした友人は、どうにか生き延びる5セントの給与に満足する主人公がストライキを断らったことに"痛い目に遭わないとわからないのさ"と残す。

今日本でも非正規雇用の不安定な雇用環境や低賃金が問題としてあるけど、その悲惨さが当てはまる様な作品だった。
今の生活をつなげるので精一杯だと、未来を考え行動する余裕がなくなってしまうんだよなぁ。
それこそ、『ノマドランド』に登場するAmazon雇用とノマド達の関係と同じで目先の雇用を断ったら生きられないから搾取されてても断れないんだよね。
これを誰が批判できようか…。

希望はないけどそれでも希望をもって生き抜いていくしかないと、悲惨さの中に母の強さが光っていた。
ララン

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