カネコ

ミステリー・トレインのカネコのレビュー・感想・評価

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)
3.4
ミステリー列車(ミステリーれっしゃ)とは出発駅からの目的地をあえて乗客に案内させず、乗客にそれを予想させることを目的とした観光団体専用列車のことである。
wikiより引用

人生はミステリー・トレインのように目的地が分からない列車の旅のようなものだ。
この映画に出てくる登場人物たちはたまたまプレスリーの町メンフィスの安ホテルでひと時を過ごす。

それぞれの人生は交錯しないけど深夜のラジオから流れるブルームーンや朝方の銃声で同じ空間を共有している。
列車で乗り合わせた乗客のように。

3つの短篇からなるオムニバス。
第一話はヨコハマから観光に来たカップル。このストーリーがすごく良かった。

この当時のドル円80年代後半だと120〜130円位?
日本はバブル期で2人くらい若い子でもアメリカに個人旅行出来たのかな。
まさに『18か。渋いよな。ヨコハマが遠くて、メンフィスにいるってのも最高だ。』
永瀬正敏と工藤夕希のロカビリーカップルがお洒落で可愛かった。

エルビスファンの女の子のスクラップブックには彼女がエルビスに似ていると思った物が纏められていてそれが仏像だったり自由の女神だったりする。感性が独特。
旅行に100枚のTシャツコレクション持ってくる所とかもツボだった。
とにかくこの2人の空気感が凄くエモい。

あと全編通して煙草の演出が良かった。
この時代まだ軽い煙草がなさそうでタールの濃い煙がゆっくり広がる感じ。輪っかもしっかり作れる煙。
映画で見る煙草の煙ってなんか良い。

2話目の国際電話で大声で話すところ。
昔国際電話は電話線が地下ケーブルで海の中を通って繋がってるから声が遠くに聞こえるって聞いた事がある。

ギンギンにキメたエルビスの幽霊がお茶目で可愛い。
誰の所に出るつもりだったんだろ。


これが発展して次作のナイト・オン・ザ・プラネットが作られたのかな。
ゆるい雰囲気がとても良かった。
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