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安重根 伊藤博文を撃つ/安重根(アン・ジュングン)と伊藤博文のmhのレビュー・感想・評価

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日本からしたらテロリスト、いっぽうで韓国・北朝鮮からだと偉人である安重根についての歴史文芸大作。それも北朝鮮映画!
ごりごりのプロパガンダかと思いきや、かなりしっかり作ってあって、バランスがいい。歴史を知るのにはもってこい。
ケネディも安倍元首相も主義主張を持たないものの手にかかっている。反政府活動家が政府要人を殺した例はかなり少ないはずで、それがどうして実現してしまったのかが伺い知れる。
伊藤博文を殺せば日帝が引き上げるというロジックだったんだけど、いやいやそうはならんやろと誰もが思うであろうことを乗り越えて実行してしまう。その背景に儒教の教えに基づいた民族主義運動があった。義兵運動を知らなかった自分に恥じ入る。
日本よりの考えかたをすれば、日本によって利権を奪われた両班(大韓帝国時代の支配者層)が、反日運動を先導した結果の凶行で、戦後彼らが国家の要職に返り咲いた結果、不遇の時期を支えてくれた旗――反日をなかなか下ろせずにいまに至っているということか。
大地主(地方両班)の息子にうまれた民族主義者(つまりゴリゴリの右翼)である安重根を、共産主義の北朝鮮が英雄視してるのが不思議ですね。この自家撞着を北朝鮮はどう処理しているのか気になるところ。
面白かった!
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