鬼才ニコラス・ローグの代表作かつ心理サスペンスのお手本のような扱いを受け続けてきた本作だが、これまでなかなか見る機会に恵まれず。
この度、DVDでやっと初見・・・
うう・・ドナルド・サザーランドの髪型が独特すぎて、なかなか作品に集中できない!70年代初頭という時代、さらには演じた役柄を考えても、どうにもあり得ない盛り盛りヘアスタイルなのは、いったい何故??
何とか気を取り直して作品自体を鑑賞。
う~ん、期待し過ぎたせいか、あまりにも実験的手法を取り入れ過ぎていて、それがかえって鼻につく部分も多いかな。特に冒頭の一連の描写とか・・。
ただ、シーズンオフの寒々しく陰湿な「美しくない」ベニスという舞台設定は抜群に効いていて、海に沈みゆくこの街自体が持つ特性からか、観客の不安感を次第に募らせる大きな役割を担っている。
そして、衝撃のラストシーンは・・確かに、怖い!
でも、全体の流れがややもたつき気味だし、先にデパルマ作品の数々で、より効果的で洗練された撮影テクニックなどを目の当たりにしてきた身としては、これくらいの点数。