自身がゲイである事をこの作品公開時には既にカミングアウトされていた橋口亮輔氏の監督・脚本作品。
新宿二丁目の売り専クラブに所属し、男性に身体を売るバイセクシュアル(おそらく)の大学生と彼に想いを寄せる男子高校生の日常生活を淡々と描く・・
1993年製作ということで、日本の実写BL物としては、ひょっとしたら初めての作品かも??
「売り専」という裏稼業を変に面白おかしく取り上げるわけでなく、主人公の大学生にとってはバイトの一つだと割り切っている描写がリアル。
袴田吉彦、若っ!・・と感じるかと思いきや、逆に、今もこの頃の容貌を保っているのが凄いと感じた。ボソボソと喋り、常にテンション低めの上手下手の判定が難しい演技が初々しくて、むしろ良い。
ラストシーンの夜明けの甲州街道を新宿南口駅に向かって歩く二人の姿が、何故だかとても印象に残る。
ただ、ゲイである男子高校生のその性的嗜好を知りながらも、彼に肩恋慕する女子高生の心理は、ちょっと男の自分には理解が難しい。