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緑の光線のayakosのレビュー・感想・評価

緑の光線(1986年製作の映画)
4.1
今まで見たロメール作品の中で一番好き。

パリへ行った時、お店がしまったりするのをみてパリには1ヶ月程の夏休みがあると知って羨ましく感じた。
作中でそれぞれが長期休暇に対して情熱をかけるのもとてもわかる。

その中でもデルフィーヌは理想の休暇の過ごし方というものがあって、それに向かって妥協しない姿は頑固であるも徐々にぼろぼろになっていく姿はとても虚しい気持ちになる。
だからずっとデルフィーヌは面倒くさい人だなともやもやしながら見ていた。
自分だったら友人の面識のない親戚団欒に放り込まれるぐらいなら、一人旅したほうが良いと思う。

でも旅先でナンパされて出会う男性たちの自分の軸に外れた会話に半ば強制的に参加しなければならないあの絶対に何も生まれない虚無感や、終盤の独白は共感してしまう。いつの間にか寄り添う気持ちが勝っていて引きずりこまれていた。

最後の希望の光も良い。
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