萌える闘魂

史上最大の作戦の萌える闘魂のレビュー・感想・評価

史上最大の作戦(1962年製作の映画)
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当時42億円ともいわれる巨費が投入された大作。いわゆるオールスターキャストで描く戦争物でお祭り騒ぎ満載の豪華映画。CG時代の『プライベート・ライアン』と対比されるが、比較することに意味は無い。1962年映画なのでカラーでの制作も可能だっただろうが、あえてモノクロであるところに制作側のデリケートな配慮が見て取れる。おかげで老若男女が観て楽しめる内容になっている。CGでない特殊効果等も要所で使用はされているが、この手の映画にありがちな戦争フィルムのストック使用などは無く、膨大な物量で見せ場を構築している点に是非注目していただきたい。中でも海岸線を舐めるように捉えた空撮はお見事。まるで蟻のように移動する兵士の姿がスクリーンを無数に横切っていく。それともう一つ港町の空撮による移動撮影。これはバルーン等を使用しているのだろうが、これだけの大がかりな長回しとそれに耐えうる大セットを築く事は現代では不可能である。その他色々見せ場がたっぷりな戦争映画であるが紅一点の美人女優も作品に花を添えていた。これだけの大規模戦争映画は後年『遠すぎた橋』まで待つことになるだろう。