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ニューヨーク1997のsymaxのレビュー・感想・評価

ニューヨーク1997(1981年製作の映画)
3.6
"…スネーク…あんた、死んだはずだろ?…

1988年、犯罪発生率が400%を越えたアメリカ…マンハッタン島を丸々刑務所にして、そこに終身刑の重犯罪者をぶち込む…刑務所とは言え、囚人達の自治に委ねられたその場所はもはや無法地帯…1997年、エアフォース・ワンがテロリストに乗っ取られ、マンハッタン島のど真ん中に墜落する…辛くも助かった大統領でしたが、刑務所を牛耳る"ニューヨークのデューク"に拐われてしまう…警察本部長のホークは、刑務所収監間際だった元特殊部隊員で一匹狼の犯罪者スネーク・プリスケンに白羽の矢を立て、無罪放免を条件に、大統領救出の取引きをします。

大統領救出のタイムリミットは24時間…スネークの頸動脈に埋め込まれた小型爆弾が爆発してしまう…スネークは否応なく、大統領救出の為マンハッタン島へグライダーで飛び立つのです…

"ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022"と題し、4K画像で蘇った40年ぶりの再上映…年の初めになんと贅沢な…

今や伝説のカルト的B級SF作品である本作は、後に様々なクリエイターに大きな影響を与えた1本です。

"デーン、デデデーン…"と軽ーい電子音が奏でる名曲中の名曲であるメインテーマが流れる中、いかにもマッチョな雰囲気のカート・ラッセルが、"俺をスネークと呼べぇい"とタバコを吹かしながら吐く名セリフを大きなスクリーンで観れた事にワナワナと感動…

よーく観ると、スネークって活躍しているようで、何一つ上手くいかないし、大事な道具は落として壊すわ、盗られるわとちょっと抜けてるところが多いんですけど、何故だか最後に上手くいってしまう…めちゃめちゃ、仲間を犠牲にしますが…そこが、まぁ、スネークたる所以なのですが…

脇を固めるのは、リー・ヴァン・グリーフ、アーネスト・ボーグナイン、アイザック・ヘイズ、ドナルド・プレザンスにハリー・ディーン・スタントン、そして当時カーペンター監督のパートナーであったエイドリアン・バーボーと実力者ばかりで非常に贅沢…しっかりした役者とチープな展開…これが堪らないのです。

カーペンター作品の中では、続編が作られているのは、"ハロウィン"と本作くらいではないでしょうか?

スネークというキャラがそれだけ万人に受け入れられたとも言えます。

本作終演後、期せずして拍手が起こりましたから…
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