"人間を作るのが一番難しいんだ…"
空想上のクリーチャーを作る内気なゲームプログラマーのフリアンは、同僚の誕生日パーティーでディアナと知り合う…
ディアナは美術史を学びながら、脳卒中で倒れ、寝たきりの父の面倒を看ていた…
徐々にその距離が縮まる中、フリアンは隣室の火事で、クリスチャンという男の子を助けるが…その後、得体の知れない不安に取り憑かれる…フリアンは気づいたのだ…自分の心の闇の中に怪物がいることを…
何と…どん詰まりの主人公を描いた作品を三本も連続して鑑賞してしまった…あぁ、心が重い…
"マジカルガール"という可愛い題名とは裏腹な脅威の怪作を生んだカルロス・ベルムト監督の最新作ですから、確実に鑑賞せねばと…いやコレまた凄まじい作品でありました。
ここで言う"怪物"は、フリアンの心にあるタブーの事なのでしょうか?
確かに、フリアンの心の闇は本作のポイントではありますし、観ている側からすれば、フリアンについての物語と捉えるのでしょうが、この監督さんですから、そうそう素直にそのままを受け取る訳にはいきません。
本作の肝は、ディアナだと私は思います。
ディアナもそーとーな怪物を心に抱えてるのでは?
一見すると献身的に父の面倒を看る娘のようでありながら、結果的にフリアンを追い込んでいったのは彼女なのでは?
失った父の代わりがフリアン…ラストのワンカットを観て、彼女の意図が見え隠れして…ひょっとすると全てディアナが仕組んだのでは?…と…
そう捉えた時、私の背筋は凍りついたのです…これ、かなりなホラー映画なのかもしれません…
ストーリーに全く関係のところで、バンバン日本的なモノをぶち込んでくる日本オタクな監督さん…やっぱ凄い才能です…今後も目が離せまんな…