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胸騒ぎのsymaxのネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

"お前が家族を差し出したのだ…"

イタリア旅行で偶然知り合ったオランダ人家族からの招待…旅先で知り合っただけの他人、しかも外国人からの誘いに躊躇するビャアンとルイーゼであったが、誘いを断るのは失礼にあたるかもとの友人からのアドバイスもあり、その申し出を受ける事を決断し、ビャアンは、家族と共にオランダへ…到着早々、パトリックとカリン夫妻の"おもてなし"に何とも言えない居心地の悪さを感じたビャアンとルイーゼ…その居心地の悪さは、違和感から不安、不安から恐怖へと変わっていき、やがて…

ここ最近鑑賞した作品の中では、ダントツの怖さと胸糞の悪さ…

ただ、コレ結構奥が深く、デンマークとオランダというお国柄の違いや、高層マンションに住み、子供にフルートを習わせる等、富裕層と思われるビャアンとルイーゼ夫妻に対して、無職で客の子供をほぼほぼ床で寝かせ、安いからと中東系のおっちゃんにベビーシッターをさせるパトリックとカリン夫妻は明らかに貧困層…この違いにより、誤解と違和感が生まれてくるのです。

ビャアンとルイーゼが感じた違和感は、二人の勝手な妄想と決めつけかもしれない…

だからこそ、帰らずに残ってしまった…

知らない者同士のコミュニケーションがいかに脆弱なモノかということを痛感させられる展開であります。

ビャアンとルイーゼの選択が後半の胸糞へと繋がっていく…

それにしてもビャアンの無能ぶりはどうなんだろう?

良き夫、良き父である事は間違いない。
でも余りにも何も出来なさすぎて、段々イライラしてしまった…

パトリックとカリンは、積極的に攻撃していた訳ではなく、蜘蛛の巣を張り、餌が来るのをじっと待っていたように思えるのですよ…

結構、逃げ出すチャンスもあったのにビャアンは精神的な弱さが出て、その選択が悉く裏目に出ちゃう…そして、あの立ちション…あそこで運命は決まったのかもしれません…ビャアンが差し出したというのも、あながち間違いではないのかもしれません…だから尚更、胸糞なのですよ…

安定安心のブラムハウス印でのリメイクが決まっている本作、この話をアメリカ的にどう捉えるのかは楽しみではあります。
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