フライ

サイレントヒルのフライのレビュー・感想・評価

サイレントヒル(2006年製作の映画)
3.9
ゲームを元に製作されたホラーと言う事は知っていたが。正にゲーム!それを活かしたストーリー展開の秀逸さに、見事と思えるホラーに感じた。

自分達の愛娘シャロンが、夜な夜な夢遊病で徘徊し、一歩間違えば命の危険すらある状況で発する言葉サイレントヒル。夫が反対する中、妻ローズは、娘を治すヒントがそこに有ると思い、サイレントヒルと言う街へ行く事を決断するのだが、その街は、封鎖されゴーストタウンと化した曰く付きの街だった。
何かに引き寄せられる様にサイレントヒルに車で向かうローズとシャロンだが、途中事故にあい意識を失い気づいた時、シャロンは行方不明になり、白い煙と降灰に覆われた街の中を探す事になるのだが。

両親と娘の関係性、サイレントヒルや隠された過去、展開されるストーリーが、絶妙に明かされながら描かれているので荒唐無稽な物でも、納得させられる恐怖演出の面白さを感じ、とても惹き込まれた。
無限地獄の様な世界観は、序盤から惜しげも無くキモイクリーチャーが現れるが、ストーリーが進むにつれ西洋の土着的な残酷さや、人間の持つ醜さ、気持ち悪さで胸糞感が増し、内容もわかって来るだけにホラーとしての醍醐味と魅力を感じた。特に象徴でもあるサイレントヒルの街に鳴り響くサイレンは、大半の人が不快感を覚えると思うが、サイレンの音と恐怖が素晴らしい演出になっていて、ゾクゾクする設定と美しい映像、ストーリー展開に最後まで目が離せなかった。何より切なく、やるせないラストが作品ともマッチしていて好印象だった。

かなりエグい映像が多いので注意も必要だが、昔懐かしいヘルレイザーを思い出したり、ストーリーの秀逸さに見応えを感じた。
色々な要素のキモさや胸糞感が詰まったホラーを楽しみたければ是非。
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