のんchan

無防備都市ののんchanのレビュー・感想・評価

無防備都市(1945年製作の映画)
3.9
名匠ロベルト・ロッセリーニ監督に初挑戦。
ネオレアリズモ映画の代表作で、古典的評価が認められた作品ということでずっと気になっていました。
シナリオには当時24歳のフェデリコ・フェリーニも加わっている。

なんと撮影は終戦直前であり、まだ戦時中だっことにリアリティがある。実際のエピソードを幾つか参考にして構成されている。


1942年、第二次世界大戦末期のローマ。イタリアは同盟国だったドイツに占領されてしまう。
ゲシュタポがある男を執拗に捜索をしているところから始まる。
その男マンフレディは反ナチス国民解放会議の指導者だった。
同士のフランチェスコの家を訪れるが留守。そこにはフランチェスコの婚約者でシングルマザーで2人の息子を持つ逞しいピナがいた。ピナは息子にピエトロ神父を呼びに行かせる。ピエトロ神父も同士だったのだ。マンフレディは夜は身動きが取れないため、神父を頼ってフランチェスコに軍資金を渡すように依頼する。神父はフランチェスコに本に隠された軍資金を渡す。

フランチェスコとピナの結婚式の日、突然ゲシュタポが教会を取り囲みレジスタンス捜索を開始し、マンフレディは逃げるがフランチェスコが逮捕される。トラックで連れ去られるフランチェスコを追うピナは射殺されてしまう。

フランチェスコは解放される。
マンフレディには女優のマリナという恋人がいた。しかし、喧嘩してしまったのもあり、マリナが裏切って3人の居場所を通報してしまう。

マンフレディへの尋問、決して口を割らないため、酷い拷問が始まり、それを神父に見せつけるが、そのままマンフレディは息絶える。フランチェスコは別室で恐怖で首を吊る。
翌朝、丘の広場で神父は椅子に縛りつけられる。ナチスに「共産シンパ」となじられるが神父は「悪魔と闘うのに信仰は関係ない」と言い切り、少年レジスタンスたちの目の前で銃殺刑される。絶望した少年たちが肩を落とすラスト。


ナチス高官もいきがっているが、人殺しをしても意味がないことを理解している。
レジスタンス活動をしている神父のキャラクターが信仰以前に人間らしくて良かった。
イタリア女性のキツさ、少年たちの逞しさが大人っぽく感じた。
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