みんと

想い出のマルセイユのみんとのレビュー・感想・評価

想い出のマルセイユ(1988年製作の映画)
3.8
『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』の名コンビ、ジャック・ドゥミとミシェル・ルグランが再びタッグを組みイヴ・モンタンの半生を綴った“フランス港町三部作”の最後を飾るミュージカル作品にして伝記映画。

故郷マルセイユにミュージカル公演のために帰ったモンタンが自身の役でその人生を唄と踊りで回想していく…

冒頭からワクワク感が半端ない。ジャック・ドゥミの色彩美術に視覚が喜んでる。おフランス臭プンプンのカラフルで可愛い映像にうっとり。

エディット・ピアフ、シモーヌ・シニョレ、マリリン・モンローと、実際に彼の人生を彩った数々の愛が、劇中のステージ・ショウとして見せる演出が面白い。そして楽しい。更にはステージ外で展開する現実のロマンスとを交互に見せ虚構と現実が入り乱れる独創的な世界観は興味深い。

正直ミシェル・ルグランにしては詩情は控えめで、若干らしくない印象。
けど、唄って踊る渋おじイヴ・モンタンの大人の余裕とダンディズムが凄いったら!もうそれだけで十分なんじゃないかと思える。


ストーリー自体はシンプル。ひたひたに浸れるジャック・ドゥミワールドを楽しむ作品だと思う。アレレなシーンを突っ込んで白けちゃうのは勿体ないし野暮!かも?笑
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