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山河遥かなりのBOBのレビュー・感想・評価

山河遥かなり(1947年製作の映画)
3.9
フレッド・ジンネマン監督の出世作となった戦争ドラマ。

第2次世界大戦直後のベルリン。アウシュヴィッツで母親と離れ離れになったチェコ人少年が、親切なアメリカ兵と出会う。

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これぞ心温まる感動作。ラストは分かっていても、感極まってしまった。

ドキュメンタリー映画のようなリアリティ。戦後間もない1947年の作品ということもあり、映像に映るもの全てが本物に見えた。特に、冒頭、強制収容所で受けた虐待により、人間性を失ってしまった子供たちの姿。軍人を見た途端に怯えたり、無抵抗で従ったり、パンを隠したり、救急車から強制収容所を連想したりと、生き延びるための防衛本能がどれもリアルで、心苦しかった。

モンゴメリー・クリフトが、親切で面倒見の良いアメリカ兵を好演。ザ・イケメン好青年という感じ。モンゴメリー・クリフトは、複雑な感情を押し殺した役のイメージが強かったので、こんなにも表情豊かで人間味溢れる演技は初めて見た気がする。少年"ジム"と心を通わせていくエピソードは、どれも心の琴線に触れた。

少年"ジム"。言葉より目が多くを物語っていて、尽く泣かせてくる。英語習得の速さには驚かされたけど、子供の吸収力があれば、あれくらい可能なのかな〜。

"モルダウの流れ"♪🇨🇿

・戦後ドイツで撮影された初のアメリカ映画。
・モンゴメリー・クリフトにとって、2作目の出演作だが、デビュー作となった『赤い河』はポストプロダクションに時間がかかったので、本作が先に公開された。
・主演のイワン・ヤンドル。全く英語が話せなかったので、全セリフを耳で覚えた。

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