イチロヲ

大アマゾンの半魚人のイチロヲのレビュー・感想・評価

大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)
4.0
アマゾン奥地を調査する学者チームが、絶滅の危機に瀕している半魚人の存在を知らされる。かつてユニヴァーサルが注力していた、モンスター・ホラーの古典シリーズ。若手時代のヘンリー・マンシーニが音楽の仕事に携わっている。

「異形の生物と現代の人間が接触したことにより生み出される不調和性」「白人女性を慕うようになった生物の悲恋劇」という紋切り型に則している内容。調査に同行しているグラマーな助手が、半魚人を緊張状態へと導いてしまう。

本作の醍醐味は「半魚人像の発明」に集約されていると言っても過言ではない。半魚人役者のスーツ・アクティングと緊迫感満点の水中撮影が素晴らしく、「どうしてこんな目に遭わなきゃならないんだー!」というモンスター側の悲哀が伝わってくる。

半魚人のことを「女性に幻想を抱いている無垢な童貞くん」のように描写しながら、幻想の崩壊へと落とし込んでいく。半魚人と水着姿のヒロインをツーショットで収めているロビーカードが印象に残るが、残念ながら本編には一致するカットが登場しない。
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