KnightsofOdessa

ジョアンナのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ジョアンナ(1968年製作の映画)
2.0
[おませなキャンディはギャングの恋人になる] 40点

五月革命によって中止されたカンヌ映画祭を擬似的に復元して勝手に審査員をやる企画をマイペースに進めているところだが、意外にも入手が簡単な作品が多くて驚いている。中でも『あの胸にもう一度』と並んで一番入手が簡単なのが本作品である。美術学校に通うためにロンドンに一人で出てきたジョアンナの青春を色彩豊かに描いた作品で、ぶっ飛んだフリーセックス具合やジュヌヴィエーヴ・ウエイトの舌っ足らずな声などから『キャンディ』を思い出すし、全体的なごちゃごちゃした感じは狂ったスーザン・ジョージが暴走する『おませなツインキー』を感じる。どれも1968-69年の作品で、まぁ多分こういう時代だったんでしょう、と。

幻想性を足すためだけの悪夢描写(首を切った父親、バルコニーから友人を突き落とす)、謎のMVぽいシーン、突然のモノクロなど"やってる"シーンが多数を占めて飽和状態になる前半を抜けると、後半は一途にゴードンを追う純粋な少女としてギャングの情婦のような立ち位置で物語を牽引する。

病気になって慈善活動に目覚める若い富豪役にドナルド・サザーランドが登場。似合ってなさすぎて笑ってしまった。
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